マレーシア駐在の日々

マレーシアでの生活、言葉、ライフハックについてゆるく発信します。

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マレーシアの断食

マレーシアは現在、断食月に入っています。

ハリラヤというイスラム教徒にとって最大のイベントを前に、彼らは約1カ月間の断食をします。

断食と言っても一日中ではなく、日の出から日の入りまで。

それでもその間食べ物はおろか水すら口にできない。

なかなかの苦行と想像します。

 

その証拠に、みんないつもより仕事のスピードが遅い。

いや遅いどころじゃない、仕事してない。

朝はまだしも、夕方はもはや魂が抜けきっている状態。

 

そして定時の10分前には、タイムカードに行列。

就業のチャイムと共に一目散に帰宅していく同僚たち。

 

 

がらんとした職場で、ひとり仕事を続けるのがバカらしくなり、私も何度かこの定時ダッシュ(フライング?)行列に並んでみました。

ものすごい罪悪感を感じてしまった私は典型的な日本人です。

 

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そして先日、断食明け、つまり日の入後の食事会を同僚と共にするイベントがありました。

私も1日ぐらい断食にチャレンジしようと思い、食事会の前日に、

「明日は俺も断食する!」と同僚に言いました。

大盛り上がりのマレー人たち。

「ほんとにできるのー?」とナメた口をきく同僚にカチンときた私は、

「できる!約束する!」

と、パソコンの裏に「断食中」と マレー語で書いた紙を貼りました。

 

 

これでもう言い訳できない。

 


当日、朝6時に少し多めの朝食をとりました。

そしていつもより気合い入れて通勤しました。

今から夜の7時半まで食べ物も水もダメ。

楽勝!やったろやないか!

 


午前10時、最初の後悔がやってきました。

 

喉乾いた。

 

小腹も減った。

 

いつもならホットコーヒーにちょっとしたお菓子をつまむ時間。

 

でも周りにはニヤニヤしてる同僚たち。

「昨日xxにいたでしょ!」

「モリオの車のナンバーxxxxだよね!」

など余計なことばっかりよく見てる マレー人。

彼らの目を盗んで食べるなんてできそうにない。

仕方なく仕事に戻る。

 

午後1時、二度目の後悔。

空腹がかなりのレベルまできた。

仕事に一切集中できない。

いつもなら昼ご飯の時間。

いつもまずいまずいと不平を言いながら食べる食堂のごはんが、今日はこんなにも愛おしい。

 

「腹減ってないの?ww」と笑いながら食堂に向かう日本人の上司。

 

鬼め!

 

完全な八つ当たり。

いつも一切怒らない仏の上司が鬼に見えるほど精神が荒れ果ててきている。

 


午後3時、眠くなってくる。

何も食べてないのになぜ眠くなるのか。

そうか、体が危機を察知してできるだけ休ませようとしている。

こんな状態で同僚たちはいつも仕事をしてるのか。

そら何も進まなくて当然や。

同僚にいつもより優しくなる。

 

午後5時、空腹の限界。

何か食べたい。

なんでもいい。

目の前にはイス。

イスを食べたい。

いやあかん。イスはあかん。

 

イスを食べたい欲求と戦いながら、もう仕事ではなくなる。

 

午後7時半。断食明け。

この前の1時間記憶なし。

どうやってレストランまで来たのか。

酒を飲みすぎても記憶はなくなるが、何も飲まなくても記憶はなくなるようだ。

 

とはいえ、なんとか食事と水を頂けました。

同僚からは

「よくやった!」との労い。

「明日もやろう!」とのお誘い。

 

ありがとう!またやるわ。来世に。