マレーシア駐在の日々

マレーシアでの生活、言葉、ライフハックについてゆるく発信します。

MENU

母が詐欺に遭っていた話

母が詐欺まがいの不動産投資に手を出していた。

 

1800万円のアパート一室をサブリースして、月々の家賃収入6万円を稼ぐというもの。

「手元にあると使っちゃうし、毎月6万円きっちり入ってくるのが堅実でしょ」

という母の言葉に、開いた口が塞がらなかった。

 

母は今69歳。

奇跡的に家賃収入がずっと6万円入ってきたとしても回収に25年、そのとき94歳。

まして、そんなことは起こりえない。5年、10年と経つに従って家賃は下げざるを得ないし、借主がいない期間も考えれば回収期間はもっと伸びる。

 

「サブリース会社の家賃保証があるよ」

契約書をよく見てみるとたった1年。それ以降は見直しの可能性があるとなっている。

家賃保証なんて続かない。あったとしてもサブリース会社が倒産したらそれまで。

サブリースで多くの人が破産したかぼちゃの馬車事件でさえ母は知らなかった。

 

「銀行に預けてても増えへんやん」

投資するならドルコスト平均法で十分。

世界の誰かが成功すれば儲かる仕組みの世界株式インデックスに投資すればいい。

わざわざアパートの一室に投資を集中させる必要はない。

 

母はその建設中のアパートに、アパートのある街に行ったことすらなかった。

「とてもいい場所ですよ」という営業マンの言葉のみを信用。

もしそこが反社の巣窟だったら、荒れ果てた地域だったら、誰が借りてくれるのか。

 

もちろん犯罪ではない、れっきとしたビジネスのひとつ。

詐欺だと言ってはいけないのかもしれない。

でも上に書いたようなことを見ていると、どう考えても詐欺。

超ハイリスクでローリターンな、高齢者を騙すだけの商品にしか思えない。

 

何日も母と話し合って、クーリングオフすることに納得してくれた。

サブリース業者の営業マンは母からのクーリングオフの依頼に、今までの誠実な態度から手のひらを返し、悪態をついて電話を切ったらしい。

 

こうした話は初めてではない。

69歳の母は脳出血を患って以来、ものの判断がうまくいかない、というか人の言うことを疑いもせず信用してしまう傾向にある。

周りがいい人ばかりならそれでもいいが、人のいい高齢者をカモろうという輩が輩を呼び、母の周りには怪しい商品を勧める人間までたくさん集まってきている。

投資商品、サプリメント、化粧品、パソコン教室、、

 

両親が何十年も必死に働いてきたお金がこんな形で取られるなんて、どうしても納得できない。

帰国したら、これからのことについて母としっかり話し合おうと思う。