日本にも低コストで住める街を
マレーシアをはじめ、東南アジアの国では、街によって景色が全く違います。
入口にセキュリティが立つタワマンや豪邸が立ち並ぶ街。
そのすぐ隣に、今にも吹き飛びそうな古い家、アパートが軒を連ねる街。
それぞれの住人は、本当の意味で住む世界が違います。
タワマンの住人は、ブランド店が入ったモールや高級スーパーで買い物をして、クーラーの効いたレストランで食事をします。
古い家の住人は、軒先でハエがたかった野菜を売る八百屋で買い物し、移動式屋台や露店で食事をします。
隣町であっても、同じ店を利用しません。
このように、こちらでは「金持ちの街」「低所得層の街」をはっきりと見て取ることが出来ます。
住んでいる街だけで、収入レベルが容易に想像できます。
こうした風景を見て感じるのは、貧富の差に対してどうというより、
「なぜ日本はどこもかも一緒なのか?」です。
日本には、どの街も似たような風景が広がっています。
金持ちもそうでない人も、セブンイレブンを利用します。
貧富の差が小さいことや、出身による不要な差別を避けられるという意味ではいいのかもしれません。
でも年収200万円の人が2,000万円の人と同じ店を利用するのは、理にかなっていない気がします。
一憶総中流社会をムリに実現した結果、低所得者にとって生きづらい国になっていないでしょうか。
日本にもスラム街を作ればいいとは思っていません。
でも、非常に低コストで住める街を作る、というのはできる気がします。
シンプルな造りだけど、十分に住めるアパート。
エアコンは効いてないけど、格安で食べられるフードコート。
たまに停電、断水するけど、他の街より何割か安い光熱費、市民税。
たくさん生活保護を計上するなら、こんなアプローチもできないかなーと、東南アジアの端っこで考えています。