日本の柔道の立ち位置
さっきまで妻とオリンピックの柔道団体決勝 日本対フランスを見ていました。
(普段全く見ないくせに、オリンピックだけ見て騒ぐにわかです)
個人の試合で出し切っていたであろう日本チームは惜しくも敗れました。
直後のインタビューで、質問者は各選手に「お疲れ様でした」と声を掛けました。
その後に映像がTV局のスタジオに切り替わったとき、アナウンサーは沈痛な面持ちで一言、「残念です」とつぶやきました。
この言葉に日本の柔道が置かれてる立場が表されていますね。
勝って当然、優勝して当然。負けるなんてありえない。
もちろん日本の柔道は強い。
これだけ毎回金メダルを取れる競技なんて、柔道かレスリングくらい。
日本が世界に誇るスポーツであることは間違いない。
でも銀メダルだってすごいです。世界2位の栄誉です。
質問者は「おめでとうございます!」って言えないんでしょうか。
アナウンサーは「残念です」の後に「でも銀メダルです、素晴らしい!」と言えないんでしょうか。
日本の子供たちが色んな競技をテレビで見ていると思います。
オリンピックの選手にあこがれて、新たにスポーツを始める子も多いでしょう。
サーフィンやアーチェリー、重量挙げは銀メダルや銅メダルで「快挙です!おめでとう!」と伝え、
柔道は金メダル以外なら「残念です」と伝える。
子供たちは柔道をやりたいと思うでしょうか。世界一しか認められない競技を始めたいでしょうか。
「銅メダルでも胸を張れる、もし金メダル取れたらヒーローになれる」競技を選ぶことはごく自然なことと思います。
ただでさえ若者が減る日本で、どれだけ競技人口を確保できるでしょうか。
柔道は今後、10年後も20年後も、日本の看板競技でいられるでしょうか。
そうあれるように、温かい目で見たいものです。